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空冷絶版バイク KAWASAKI Z1 伝説の名車 世界一の4サイクルマシン!

スタッフ

1972年に川崎重工業が欧州及び北米市場向けに製造販売した輸出専用オートバイ”Z1”。
同時世界最大の排気量で903cc、最高速度は200km/h、82馬力とそのパワーと迫力の見た目で大ヒット!

Z1というのは型式名であり、正式には車種名”900スーパー4”です。
Z1の系譜、903ccの4本マフラーモデルは1972年に始まり1976年まで製造されました。

※それ以降もマイナーチェンジしたモデルZ1000、Z1000MKII、Z1-R/Z1R-IIなどがあります。

国内向けには750ccモデルの型式名を”Z2”、車種名”750ロードスター”です。

Z1 スペック表


引用元:グーバイクより

車種名900SUPER4 (型式名:Z1)
発売1972/11
全長×全幅×全高(mm)2200×865×1170
乾燥重量(kg)230
排気量(cc)903
最高出力(HP)82
エンジン空冷4ストロークDOHC8バルブ直列4気筒
燃料供給方式キャブレター
クラッチ形式湿式・多板
変速機形式リターン式・5段変速
スプロケット歯数・前15
スプロケット歯数・後35
チェーンサイズ630
チェーンリンク数92
ブレーキ形式(前)油圧式ディスク

Z1の特徴 魅力

世界最速に

シンプルだが難しい目標、4ストで世界最速にする。

完成したZ1は最高速200km/h超と当時の世界最速になりました。
力強いトルクは現在でも実用できるほどで、ハンドリングも軽やかです。
(…少々ブレーキの効きには難ありです)

最速マシンでありながら、耐久性のある丈夫なエンジンで今でも現役バリバリです。

迫力の4本マフラー

迫力のある4本出しマフラー、1973~1976年式のZ900までこの見た目が系譜されました。
1977年には2本マフラーに変更されましたが、やはり4本マフラーの迫力もいいですよね。

プレスタンク

ティアドロップ型のタンクは丸みのある形状を造るのは当時大変難しかったようです。
しかしその美しい丸みのある端麗なデザインは多くの人を魅了しました。

また、内プレス溶接部分が内側にあるため見た目がすっきりとしています。
1975年式までは内プレスだったタンクは1976年から外プレスに変更されています。

外プレスは内プレスタンクより大きな迫力ある見た目です。

Z1の系譜 変遷

1973197419751976
国外仕様Z1Z1AZ1B(K)Z900
国内仕様Z2Z2A(前期)Z2A(後期)Z750A4

1973年式 Z1


引用元:バイクブロス

1972年11月発表で生産された1973年式初代Z1。
空冷4ストロークDOHC8バルブ直列4気筒の世界最大排気量903ccの4本マフラービッグマシン。
タンクカラーは火の玉とイエローボール。
生産数は20,000台。

1974年式 Z1A


引用元:バイクブロス

エンジン部がブラックからシルバーに変更されました。
タンクカラーはオレンジタイガーとイエロータイガー。
生産数は27,500台。

1975年式 Z1B


引用元:バイクブロス

サイドカバーの900の文字が大きくなり、左サイドカバー内のオイルタンクがなくなりました。
テールのラインの長さが変更されました。
タンクカラーは青玉虫とマルーン。

1976年式 Z900


引用元:バイクブロス

タンクは外プレスに、サイドカバーやシート、テールカウルなど外装の形状がガラリと変わりました。
4本マフラー仕様は1976年モデルまで、1977年Z1000A1からは2本出しマフラーに。
生産台数は58,900台。

Z1の誕生

開発中、想定外の”CB750Four”登場により今のZ1が誕生します。

ライバルHonda CB750Four

「ホンダに負けてたまるか」

元々KAWASAKI”Z1”は1960年後半、世界最速の4ストロークエンジンで当初は排気量750ccで開発プロジェクトが進められていました。
そんな中1968年のモーターショーで発表された注目を浴びた空冷4気筒Honda”CB750Four”。

排気量900ccへ

このままでは”CB750Four”の二番煎じ…インパクトに欠けるZ1…
そうしてライバル”CB750Four”を超えるべく、Z1は900ccマシン開発へシフトチェンジ。

当初「世界最速オートバイ」を目指していたZ1ですが”CB750Four”の登場により、903cc世界最大排気量となりました。

DOHCとSOHC

”CB750Four”が採用していたのはSOHC(シングル・オーバーヘッド・カムシャフト)。
それに対してZ1は高回転・高出力に優れたDOHC(ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト)を採用しました。

20世紀初頭にスポーツカー向けエンジンとして開発されたDOHCですが、当時はまだ複雑な構造であることから広く利用されていませんでした。
なのでZ1のエンジンは当時としては珍しく画期的でした。

DOHCその名のとおりカムシャフトが2本あります。
吸気と排気、別々のカムシャフトによって駆動するため、負荷が分散される仕組みになっています。
そのため、エンジンが動いている時にカムシャフトとバルブのタイムラグも少なく、高回転・高出力エンジンになります。

SOHCはカムシャフト1本でバルブを駆動させる構造で、吸排気バルブの数を増やしにくいことから高回転エンジンとなりにくいのです。

しかし、SOHCと比べてDOHCは高回転・高出力と引き換えに構造が複雑で部品が多くなってしまうので、エンジン上部が大型化、燃費面は劣る傾向にあります。

最後に

予想外に現れたライバル”CB750Four”により、当初開発中だったZ1は変化が求められました。

それがもしなかったら、今とは違う名車が生まれていたかも知れませんね。
いや違う、それがあったからこそのZ1。
刺激を受けたことでさらに追及された至高の名車となれたんですね!

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